変速機(ディレイラー)の原理
実は、あんまり直感的な解説がない自転車の変速機(ディレイラー)。
今日は代休なので微妙に夜更かししてしまっているわけだが、書いてみる。
調整の方法はまた今度、ちゃんとまとまってから。
ディレイラーというのは英語でderailerと書き、
まあいうならチェーンの「脱線」を促すもの。実にしっくりくる。
あのガッチャンガッチャン動いていく変速機を見るとね。
最も重い(回せたら速い)ギア
普通にフロント:最も大きい刃、リア:最も小さい刃。
昔、なぜ後ろと前で違うんだろうなんてバカなことを考えていたもんですが、
ざっくり言うとこんなところでしょうか。
フロントの場合
クランクの回転により回るのは、もちろんチェーンリング(刃の部分)です。
直感的には、ノブの部分を持ってドアを開ける場合を考えると、
大きい扉より小さい扉を開けるほうが(扉の重量が仮に同じでも)
前者の方がより大きい力(トルク)が必要になります。よってペダリングが重い。
ただし大きい刃のリングの方がクランク1回転あたりに
チェーンを運ぶ量が大きいので、当然スピードが上がります。
リアの場合
リアのスプロケットはペダリングによって直接回すのではなく、チェーンで回します。
なので、できるだけ刃が小さい方がスプロケットはたくさん回ることになります。
よってチェーンの回転量が同じ場合、最も径が小さい刃のときにスピードが最大になる。
ただしどの刃を使った場合でも回すホイールは同じなので、
トルクを大きくとることができる一番内側の最も大きい刃のときに
最もペダリングが軽くなります。
(同じ重量で同じ大きさのドアを根元の部分を持って開けるか、
ノブの部分を持って開けるかの違いと事情はまったく変わりません)
その場合、刃を回すのにチェーンを多く取られてしまうので、当然スピードは落ちます。
後ろと前でスピードが最大になる刃の径が異なるのは、以上のような理由です。
実際に乗るときには全然こんなこと考えずに感覚で変速しているわけですが・・・
知っている人には当たり前すぎる内容なのでしょうけど、
調べてみてもこんな説明をしている文章は見かけませんでしたね。意外に。
正確に移動していくディレイラーを見るたび、
自転車ってシンプルだけどなかなかすごいな、ってつくづく思います。