音の出る家具

音楽、特にクラシック音楽を聴きたい人は
いいオーディオが要るよ、って話を前回はしました。


でも実際それが必要な人はごくまれなんだよね。
聴かれている90パーセント以上はポップスかロックだろうし、
音楽だけでもすべてアコースティック楽器とは限らないし。
現に普及価格帯の簡易オーディオ(ミニコンポ、ラジカセ)、
あるいはiPodなどのポータブルオーディオプレーヤーで
事足りる人がほとんどだろうと思う。
# 「音」の表現力の多彩さを経験していない、
# 知らないことも原因の一つかもしれないけど


オーディオファンとしては寂しい限りだけど、それが現実。
僕とは別の意味で音楽が生活の一部になっている人、
ほとんど音楽を聴かない人、いるでしょう。
宝石に莫大な金をかける人がいる一方で、
僕が宝石類にまったく価値を見出してないことと同値かもしれない。
興味のないことには関心を示さないのが普通の感覚というもの。
オーディオにしてみたって決して安くないし、
全部おんなじ音に聴こえる人にはまったく無価値だ。
まあメーカーの方も割り切っていて、
価値をわかってもらえる人にしか買ってもらわなくていい、
という姿勢のところは多いんじゃないかと思う。
少なくともハイエンドと呼ばれるメーカーはそうだ。


僕自身のオーディオの認識はどうか。
正直なところ、決して安くはないです。というより高い。
でも金を出せないかといったらそんなこともない。
程度にもよるけど。
今までいろんなオーディオを聴いたり眺めたりしてきたけど、
プレーヤー、アンプ、スピーカーの組み合わせで
30万〜40万あれば十分すぎるほどの音質は得られると思います。
うむ、高いよね。
でもオーディオを「家具」だと思ったらそんなものなのかもしれん。
たんすや食器棚やソファーや椅子だっていいものならそのくらいはする。
高品質のオーディオって音もいいけど仕上げもきれいで、
家具っていうかインテリアの一つにできるほど優れたデザインのものもある。
そのおまけとして、音が出て音楽を奏でてくれる、と考えるのも面白い。
本気でオーディオと音楽鑑賞を極めようとすると
それでは不足なのかもしれないけど、皆がそんなことしてたら引くよ。
生活の一部として、日々のかけがえのない楽しみとして
音楽を聴くなら、よいオーディオはきっとよい伴侶となってくれる。
それだけは確実にいえるなぁ。